ヘッダー

2015年 1月

    7815_477038812375592_1852239096_nK-1 WORLD GP 2015 IN JAPAN ~-60kg初代王座決定トーナメント~
    2015年1月18日(日) 代々木競技場第二体育館
     新生K-1 WORLD GPシリーズ第2回の今大会の目玉となる-60kgトーナメントは卜部兄弟による決勝となり、弟・功也が、ダメージの大きい兄・弘嵩(ひろたか)をローキックで攻め込み判定勝ちした。ワンマッチでは木村“フィリップ”ミノルが-65kg王者のゲーオ・フェアテックスから3Rに左フックでダウンを奪い大逆転の判定勝ちを果たした。983597_477296505683156_898363616_n391660_368626213216853_392935656_n69034_368266473252827_1156984724_n7868_477931078953032_1507885185_n

  レポート:井原芳徳  写真:久保与

-60kg初代王座決定トーナメント


第2試合 一回戦(1) 3分3R(延長1R)
×島野浩太朗(菅原道場/Krush -60kg WILDRUSH League 2014優勝/59.8kg)
○ハビエル・エルナンデス(スペイン/チームUFM/第3代IT’S SHOWTIME -61kg級世界王者/59.6kg)
判定0-3 (芹沢26-30/朝武25-30/和田25-30)

 島野は昨年のKrushの-60kg王座挑戦者を決めるWILDRUSH Leagueで優勝。王者・大月晴明が怪我で同級王座を返上し、大月に先に挑戦する予定だった卜部弘嵩と、11月9日に王座を争って判定負けしたが、ダウンを巡る判定で物議を醸し、島野が勝っていたと評する声も多かった。
 エルナンデスは11月22日のフランスの試合で、このトーナメントにエントリーしていたトーマス・アダマンドポウロスに5R TKO勝ち。アダマンドポウロスはアバラを痛めドクターストップがかかり、代わりにエルナンデスが出場することになった。エルナンデスはカリム・ベノーイを2011年に破ってIT’S SHOWTIME -61kg級世界王座を獲得したが、翌年に山本真弘に同王座を奪われており、真弘へのリベンジを目標の1つに掲げこのトーナメントに乗り込んできた。

 1R開始まもなくから、エルナンデスが左右のフック、右ハイなどを正確に当てて先手。島野も左フック、左ボディを返し、真っ向から打ち合うが、エルナンデスの左ボディが効き目を発揮し出すと、終盤にエルナンデスが左のテンカオをボディに突き刺しダウンを奪う。
 2Rもエルナンデスが左ボディ、左右のローを効かせ、終盤に右フックからの左ボディで再びダウンを奪う。終盤には右ハイを当てるが、島野は倒れず。脅威的な打たれ強さを見せ、3R終盤に左フックをクリーンヒットしてエルナンデスをぐらつかせ、最後まで勝負をあきらめなかったが、3R全般は左右のロー、ミドル、フックで攻め込まれ続け、エルナンデスの圧勝に終わった。試合後の島野は「気持ちや気合だけで海外の選手に勝利するのは簡単ではないと勉強させてもらった」と話した。

第3試合 一回戦(2) 3分3R(延長1R)
○卜部弘嵩(チームドラゴン/Krush -60kg級王者、ISKA世界スーパーライト級王者/60.0kg)
×カリム・ベノーイ(アルジェリア/チーム・ナサー・カセム/第2代IT’S SHOWTIME -61kg級世界王者/59.9kg)
1R 2’03” TKO (ドクターストップ:右膝蹴りによる眉間のカット)

 ベノーイは11月にフランスで卜部弘嵩の弟・功也に判定勝ち。セコンドで帯同した弘嵩は「ヨーロッパ最強で、ずっと闘いたい選手でした」「ベノーイはガードが硬くて、鉄壁のガードで、誰も崩せないぐらいですので、この選手をマットに沈めることしか今は考えて無いです」と語り、一回戦に全てを賭ける覚悟だ。
 弘嵩は上記の島野戦、その前の8月の山本真弘戦と減量に苦しみ、ローを少しもらっただけでぐらつく場面が見られたが、「最近の試合は減量方法を変えて、うまく行ってない感じがあったんで、試合の時に足に力が入らなかったり、ミスがあったんですが、今回は調子が一番いい時の減量法で、普段からじっくり落として試合で最高のパフォーマンスできるよう仕上げています」と公開練習でコメント。前日計量は60.0kgジャストで無事クリアし、1つ年下の24歳の功也の「兄を超えたい」という発言に対しても「今まで通り、一生俺の後ろを歩いてろって感じですね」と強気なコメントも飛び出していた。

 1R、ベノーイは最初、サウスポーに構えるが、時折オーソドックスにもスイッチしたかと思えば、すぐサウスポーに戻し、左ミドルをヒット。弘嵩は距離の詰め方に戸惑っている様子で、時折パンチの連打から右ミドルへのコンビネーションを決めるが、ベノーイはしっかりブロックしていて、弘嵩の言うとおり「鉄壁のガード」を印象付ける。
 だが弘嵩は、そのわずかの隙を突くことに成功。弘嵩が圧力をかけて前に出て、ベノーイが下がると、弘嵩の右の飛び膝がベノーイの眉間にヒット。ダウンを奪うタイプの衝撃度は乏しいが、これでベノーイの眉間が切り裂くことに成功。大量に出血したベノーイはドクターストップ。気力体力が充実していた弘嵩が運も引き寄せ、無傷で準決勝に駒を進めた。敗れたベノーイは「このような形で負けてしまって悔しい。試合が短くて相手の印象は何とも言えない。また日本に来たい」と話していた。

第4試合 一回戦(3) 3分3R(延長1R)
○山本真弘(藤原ジム/Krushライト級(60kg)GP2009優勝、第4代IT’S SHOWTIME世界61kg級王者/60.0kg)
×グァニー・バラッジ [Gagny Baradji](フランス/サバット20011年世界王者/59.7kg)
判定2-0 (朝武29-29/豊永30-29/千葉30-29)

 バラッジは2年前に山崎秀晃を右ストレートでKOした現在28歳の選手。当時は63kgで参戦したが、今回は適正体重の60kgでの試合となるため、よりパワーアップした姿を見せるはずだ。14歳からサバットを習い、遠い間合いからでも攻撃を当ててくるのが特徴だ。
 一方、近年不調だった真弘だが、昨年春から先輩の小林聡氏からのしごきを受けるようになってからは、練習量が増加。科学的なフィジカルトレーニングとも並行し、「12月ぐらいから成果が出てきた」と本人も効果を実感している。

 1R、サウスポーの真弘と、オーソドックスのバラッジが、両者とも独特のスピードのあるステップで出方を伺う展開。互いにミドルやローを当てるがまだ当たりが浅い。2Rに入るとお互いパンチを当てる場面が増え、真弘が左フックをクリーンヒットさせるが、バラッジも山崎をKOした右ストレートをクリーンヒット。お互い次第に消耗していく。
 3R、バラッジは右のローでの軸足刈りや右ハイを決め、やや優勢に。真弘にとって悪い流れだったが、当たりは浅いが左フックや左ハイを返し続けていると、中盤過ぎに放った左のボディ狙いの膝蹴りが効き目を発揮。真弘は左ボディフックをその後も効かせ、バラッジを追い詰める。結局3Rの攻勢が評価され判定勝ち。曲者のバラッジ相手に手こずりつつも、準決勝に駒を進めた。

第5試合 一回戦(4) 3分3R(延長1R)
○卜部功也(チームドラゴン/ISKA世界ライト級王者/60.0kg)
×デニス・ピューリック [Denis Puric](カナダ/アイアン・タイガー・ムエタイ/バンチャメークジム/60.0kg)
1R 2’05” KO (左膝蹴り)

 ビューリックは初来日の29歳。東欧のスロベニア系で、MMAのベラトールにも参戦経験があり、現在はタイでブアカーオとも練習する。元々リザーバーとしてエントリーしたが、ヨハネス・ウルフ(ドイツ)の欠場で本戦に繰り上げとなった。12月にポンサネー・シットモンチャイに秒殺KO勝ちしているが、功也は「試合は短かったし、ポンサネーも試合が続いていたので参考にならない」とコメント。公開練習も行っておらず、未知数の要素が最も多い選手だ。
 だが功也はそんな相手に対しても、兄同様に研ぎ澄まされた攻撃で対処。開始しばらく、サウスポーの功也にビューリックが右のミドルやパンチを当てるが、功也はブロックして距離を取り、左のボディ狙いの膝蹴りをクリーンヒット。後退したビューリックに左膝蹴りを再び当ててダウンを奪う。その後も左ミドル、ロープに押し込んでの膝蹴りの連打で着実にダメージを与え続けると、ビューリックは突如うずくまり、朝武レフェリーがダウンを宣告。2ダウン目となり功也の勝利となった。

第1試合 リザーブファイト 3分3R(延長1R)
○闘士(池袋BLUE DOG GYM/Krush -60kg WILDRUSH League 2014 3位/59.9kg)
×キム・フンジェ(韓国/浦項ジム/59.7kg)
判定3-0 (29-27/30-26/30-26)

 

第8試合 準決勝(1) 3分3R(延長1R)
○卜部弘嵩(チームドラゴン/Krush -60kg級王者、ISKA世界スーパーライト級王者/60.0kg)
×ハビエル・エルナンデス(スペイン/チームUFM/第3代IT’S SHOWTIME -61kg級世界王者/59.6kg)
4R 判定3-0 (和田10-8/千葉10-8/豊永10-8)
3R 判定0-1 (和田28-29/千葉29-29/豊永29-29)

 一回戦の弘嵩は1R、ベノーイを膝蹴りで切り裂き無傷で勝ちあがったが、エルナンデスは完勝ながらも島野戦でパンチをもらい、ダメージの差では不利な状況だ。1R、弘嵩が序盤から右ローを連打するとエルナンデスの動きが一瞬止まるが、エルナンデスは次第にプレッシャーを強めると、右ミドル、左ボディ、奥足狙いの左ローをお返し。終盤に弘嵩が左の膝蹴り、左ボディも当て、若干優勢だが、まだ手数はお互い少なく、慎重な幕開けだ。
 2Rに入ると弘嵩が左の膝蹴りをうまく当てて好調な出だしに見えたが、エルナンデスは左右のローを集中。するとこれが効き目を発揮し、弘嵩の足が止まる。3Rになるとエルナンデスの左の奥足狙いのローを右足にもらった後に、押されて弘嵩がスリップする場面も。エルナンデスは左ボディ、左ミドルも効かせ、弘嵩を苦しめる。

 エルナンデスが2R、3Rを取り優勢かと思われたが、ジャッジ1者からしか支持されず、延長に突入すると、エルナンデスは変わらず左の奥足狙いのローを執拗に連打。弘嵩はパンチを振るうが、踏ん張りが効かず力が入らない。エルナンデスは左ミドルや左フックも当てて弘嵩を苦しめ、このまま勝利かという流れだったが、残り20秒にエルナンデスが左フックを放った際に弘嵩が左フックを合わせて大逆転のダウンを奪取。まさかの展開で勝利し、満身創痍ながらも決勝に駒を進めた。

第9試合 準決勝(2) 3分3R(延長1R)
○卜部功也(チームドラゴン/ISKA世界ライト級王者/60.0kg)
×山本真弘(藤原ジム/Krushライト級(60kg)GP2009優勝、第4代IT’S SHOWTIME世界61kg級王者/60.0kg)
1R 2’44” KO (左ローキック)

 無傷で勝ちあがった功也と、3R戦いダメージを負った真弘の戦いは、功也に軍配。お互いサウスポーに構え、慎重な幕開けだったが、功也が右のインローを数発当てると、一回戦でバラッジのローをもらっていた真弘は足を引きずり、オーソドックスにスイッチしてダメージをごまかすように。功也はこのチャンスを逃さずローを連打。オーソドックスになった真弘の奥足に左ローを強打すると、真弘はついにダウンし、そのまま立ち上がれず。功也が無傷で、満身創痍の兄の待つ決勝に駒を進めた。

第12試合 決勝 3分3R(延長1R)
○卜部功也(チームドラゴン/ISKA世界ライト級王者/60.0kg)
×卜部弘嵩(チームドラゴン/Krush -60kg級王者、ISKA世界スーパーライト級王者/60.0kg)
判定3-0 (勝本30-27/和田30-27/豊永30-27)
※功也が優勝。60kg級初代王者に

 60kg王座トーナメント決勝は、卜部兄弟悲願の兄弟対決に。1R開始すぐから、サウスポーの弟・功也は、右足のダメージの蓄積した兄・弘嵩に、容赦なく左ローを連打。プレッシャーをかけ続け、左ストレート、右ローも絡め圧倒する。2Rには功也のローで弘嵩の足が止まり、コーナーを背負う場面が増える。3Rも同様で、さすがに功也の手数も落ちてきたものの、主導権を維持。ダウンは奪えなかったが、3ポイント差をつける完勝で、初の兄越えを果たすと共に、トーナメント優勝を果たした。

 功也は「決勝で兄弟対決が実現しました。僕はいつも兄の背中を見て育ってきました。まだまだ未熟ですけど、これからは兄の後ろではなく、兄弟でこのK-1を盛り上げていきたいと思います。次は55kgのトーナメントがあります。熱い試合になると思うので会場にお越しください」とアピールした。

 インタビューで功也は「兄とは万全の状態でやりたかった」としつつも、ローの連打については「100%狙ってやりました。倒す気まんまんでした」と語り、「チャンピオンになっても満足せず、もっとK-1を高いところに持って行きたいです」と話した。

 敗れた弘嵩は「結果的に負けたんで悔しい気持ちが強いですね。最後の最後まで功也の隙を狙ったんですけど、全部バレてて当たらなかったですね」と話し、万全の状態で再戦したいか?という問いには「もちろんこのままじゃ終わらないですよ」とリベンジに意欲。「弟だからこそ悔しい思いがあります」とも複雑な心境を口にしたが、直後に「でも戦えてよかったです」と話し、笑顔を浮かべた。

ワンマッチ


第11試合 -65kg fight(ノンタイトル戦) 3分3R(延長1R)
×ゲーオ・フェアテックス(タイ/フェアテックス/K-1 WORLD GP -65kg級王者、WPMF世界スーパーライト級王者、元ルンピニー認定フェザー級王者/64.4kg)
○木村“フィリップ”ミノル(ブラジル/Fighting Kairos/マイウェイジム/64.8kg)
判定0-2 (千葉28-28/勝本28-29/芹沢28-29)

 新生K-1 WORLD GPシリーズの旗揚げとなった11月3日の代々木大会での-65kg級トーナメントで、ゲーオは一回戦でKrush王者の山崎秀晃を、準決勝でGLORY優勝者の久保優太を、決勝で前RISE王者の左右田泰臣を圧倒し優勝。対日本人連勝記録を14に伸ばした。
 一方の木村はトーナメント一回戦で左右田にKO負けしたが、再起に向けて強豪ゲーオへのチャレンジをあえて志願。暮れには尊敬するヴァンダレイ・シウバとも対面し、ポルトガル語で実戦的なアドバイスも受けたという。ムエタイとサウスポー対策では、ゲーオにやられた久保をはじめ、藤原あらしや卜部功也といった外部の選手ともスパーリングを重ねた。
 前日会見ではゲーオがファイトマネー総取りマッチを提案し、木村も承諾。木村はベルトを賭けるよう逆提案し、ゲーオも同意したが、結局主催者は認めず、ノンタイトル戦のまま行われることになった。

 1R、サウスポーのゲーオが、これまで同様左ミドルを連打しつつ、左ハイも絡めて木村を脅かす。ゲーオは休むことなく左ミドルを連打し、左ボディストレートも絡めて主導権。木村は手を出せない。2R、ゲーオは左ストレートを効かせると、腰の落ちた木村に組んで左の膝を連打。その後も左ミドルを連打すると、木村は右のパンチが打てなくなる。ゲーオは攻め込むが、組んでからの膝の連打を繰り返し、和田レフェリーから注意を受ける。
 3Rもゲーオが左のミドルを連打しつつ、左膝、左ストレートも随所で当てて木村を圧倒。このまま勝利かと思われたが、左ストレートのタイミングで木村が左のストレートを合わせてダウンを奪うことに成功。会場はまさかの展開に大歓声に包まれる。ゲーオは必死で左ストレート、左膝を連打するが時間切れ。ジャッジは1者が1Rのゲーオの手数をきっちり評価してドローと採点したが、残り2者はなぜか1Rのゲーオの攻勢を評価せず、木村の逆転勝ちとなった。

 勝った後も興奮が冷めない木村は「絶対無理と言われても一生懸命練習すれば勝てると証明したかった」と話し、「スターがいない、カリスマのいないK-1は終わりました。これからは僕の時代です。これから格闘技界盛り上げるから、俺についてこい」と堂々とアピールした。
 インタビューで木村は、少し冷静になり「前に進む自信をものにしただけ。今はこれからピークを作る土台作りで、ここでゲーオで勝ったのは大きい」とコメント。ダウンを奪った左フックは「左フックを当てるために絶対に頭をずらさない練習ばっかりをしてきた」と明かした。 
 敗れたゲーオは「自分でも戸惑っています。1R目も2R目も圧倒していました。延長戦があっても良かったと思っています」と判定に対する不満を口にし、王座を賭けての再戦について聞かれると「負けてはいけない試合ですので、すぐにでも再戦したいです」と答えた。木村は早期再戦については「やめときます」と笑顔でいなし、「自分のストーリーがあるんで、また65kgのトーナメントがある時にやりたいです。今度はKOしたいです」と話した。

第10試合 -70kg fight 3分3R(延長1R)
×佐藤嘉洋(名古屋JKファクトリー/K-1 WORLD MAX ’10準優勝、ISKA世界ライトミドル級(72.3kg)王者/70.0kg)
○サニー・ダルベック [Sanny Dahlbeck] (スウェーデン/ウーデンプラン・ファイトジム/WMC&IFMA北欧ウェルター級王者/69.2kg)
4R 2’08” KO (パンチ連打)
3R 判定0-1 (和田28-29/勝本29-29/芹沢29-29)

 佐藤は2012年のGLORYの70kgトーナメント準々決勝でKO負けした相手・サニー・ダルベックと再戦する。1R、サウスポーのダルベックは、ムエタイスタイルで右のジャブを突きながら、左のミドル、ロー、ハイをヒット。佐藤は右の膝蹴りやローを返すが、手数で押され気味だ。2Rに入るとダルベックは左の膝、左フックのヒットも増やし、佐藤は鼻血を出して少し苦しそうな様子。だが終盤に左右のストレートを連続でお返しし、好印象を残す。

 しかし3Rはダルベックが序盤から左アッパー、左フックの連打を決めると、以降は左膝、ハイ、前蹴りといった蹴りを休みなく何発も連打し続け佐藤を圧倒する。だが佐藤はジャッジに救われ延長戦へ。

 ラストチャンスを得て、序盤に右ストレートでダルベックをのけぞらせたものの、ダルベックの勢いは止まらず。右ジャブの連打で下がらせた後、集中力の限界となった佐藤に左のハイをクリーンヒットしダウンを奪取。佐藤は立ち上がるもフラフラで、最後はダルベックの左ミドルからのパンチ連打で力無くマットに沈んだ。

第7試合 -55kg fight 3分3R(延長1R)
○瀧谷渉太(KSS健生館/元Krush -55kg級王者/54.9kg)
×ショウ・ロン [Shou Rong](中国/鄭州東方飛龍格闘クラブ/CFP/54.7kg)
判定3-0 (30-27/30-26/30-25)

 55kg級は4月19日の代々木大会で初代王座決定トーナメント開催が決定。その前哨戦として瀧谷はしっかりアピールしたいところ。1R、サウスポーから瀧谷が威勢よく左ミドルなどを当てて先手を取り、飛び膝で距離を詰めてから右ストレートでダウンを奪取。その後も左ミドル、左膝を何発も当ててロンを圧倒する。2R以降も同様で、打たれ強いロンからダウンを再び奪うことは出来なかったものの、何発も蹴りとパンチを当てて圧倒。だが倒しきれず、試合後の瀧谷に笑顔は無かった。

第6試合 -55kg fight 3分3R(延長1R)
×戸邊隆馬(シルバーウルフ/55.0kg)
○堀尾竜司(TRY HARD GYM/55.0kg)
判定0-3 (28-28/28-29/28-29)

 55kg級トーナメントの日本人枠を争う一戦。1R、しばらくローキックの応酬が続いたが、中盤に堀尾が右フックと左ボディを連続で効かせると戸邊が後退。終盤、戸邊の左ミドルのタイミングで右のフックをうまく合わせ、ダウンを奪うことに成功する。
 2Rは戸邊も息を吹き返し、左ミドル、ロー、ハイ、左ボディなどを手数多く当ててポイントを取り返す。3Rも必死に攻めるが、堀尾もパンチと膝を返し続けて一歩も譲らず。結局、3Rは五分で終わり、堀尾が逃げ切る形で勝利した。
 堀尾は「1Rにダウンを取って落ち着けました。自分の距離でしっかり戦えました。結果を出せて良かったです。まだトーナメントに呼んでもらえるかはわからないけど、俺こそが55kgのトーナメントにふさわしいとアピールできたと思います」と話した。戸邊は「頭が真っ白で何も考えられない」と大きなショックを受けていた。

 なお、瀧谷戦後には、K-1ジムに新たに加盟したKRAZY BEEの山本“KID”徳郁代表がリングイン。「これからうちの選手を送り込みたい。うちはキックのジムじゃないですけど、総合の打撃を生かした選手を作っていきたい」と話した。バックステージでKIDは「キックの1試合が総合の試合5つ、6つ分の経験になる」と総合の試合をする効果を語り、前田憲作プロデューサーは「KIDさんはK-1でも活躍した選手で、KIDさんのように型にハマらない選手をどんどん送り込みたい」と話した。UFCと契約中のため外部の試合には出られないが、KIDは「出れるチャンスがもらえるんならば僕は全然いいですね。出させてもらえれば出たいですね」と話していた。

プレリミナリーファイト(4) -65kg Fight 3分3R
○平本 蓮(チームペガサス/K-1甲子園2014優勝/65.0kg)
×石川祐樹(シルバーウルフ/ K-1チャレンジAクラス-65kgトーナメント第1回・第3回優勝/64.7kg)
1R 1’25” KO (左フック)

 11月大会のK-1甲子園決勝で勝利した高校1年生・16歳の平本がプロデビュー戦。石川もデビュー戦だ。開始すぐから平本が左ボディ、左インローを正確に当て、石川の突進も軽くいなして主導権。右のパンチを効かせ、右フックでダウンを奪う。再び右フックを当てると、石川の腰が落ちるが、ダウンとは宣告されず続行。だが既に石川のダメージは大きく、平本が左フックを当てると石川はマットに沈み、すぐさま勝本レフェリーが試合を止めた。

プレリミナリーファイト(3) HEAVYWEIGHT Fight 3分3R
×学武(チームドラゴン/84.5kg)
○藤田智也(K-1ジムEBISU小比類巻道場/84.3kg)
判定0-3 (芹沢28-29/千葉29-30/勝本29-30)

 藤田が1R開始すぐから、パンチを正確に当てて主導権。2Rは左右のミドル、ローを絡めるが、チャンスどころでの畳み掛けが足りず、学武の細かいパンチやローをもらい続けると勢いが低下。3Rはほぼ互角の手数となり、藤田が苦しみながらも判定勝ちした。

プレリミナリーファイト(2) -60kg Fight 3分3R
×勇磨(池袋BLUE DOG GYM/60.0kg)
○神戸翔太(POWER OF DREAM/TEAM AK/60.0kg)
判定0-3 (勝本27-29/千葉27-30/芹沢27-30)

 Krushのタイトル挑戦の実績もある神戸が、1Rから左ボディを主体としたパンチをコツコツと当てて主導権。2R以降、さらに手数を上げていくと、3Rに残り1分のコールを聞くと、左右のパンチの連打でダウンを奪取し完勝した。

プレリミナリーファイト(1) -65kg Fight 3分3R
○後藤眞暢(triple-y/64.7kg)
×斉藤雄太(K-1ジムEBISU小比類巻道場/65.0kg)
1R 1’30” KO (左フック)

 開始すぐから、後藤が自分の距離でパンチと蹴りを当てて主導権。左ハイを当てた後、下がりながら左フックをクリーンヒットし斉藤をマットに沈めた。

寺田整骨院


奈良県桜井市外山
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